その「全知全能の神が、ただ人間のおもちゃ箱をひっくり返して遊んでいるだけ」のような構図こそが、この作品の最大の冷めポイントです。
普通の復讐劇であれば、主人公が「弱者」の立場から知恵や努力、あるいはリスクを冒して「強者(裏切った者たち)」を崩していくからこそ、カタルシスやドラマが生まれます。
しかし本作の場合、主人公のエリーは最初から勝ちが100%確定している全知全能の神の力を持っています。負けるリスクが一切ない安全圏から、自分が気に入らないという理由だけで人間たちの社会をめちゃくちゃにかき乱し、マッチポンプのように混乱を拡大させていく姿は、物語としての緊張感が皆無です。
読者からすれば、命がけの復讐劇を見せられているのではなく、「めちゃくちゃ性格の悪い神様が、人間世界に降臨して盛大に悪ふざけ(嫌がらせ)をしているだけの胸糞悪いドキュメンタリー」を見せられている気分にしかなりません。
この「全知全能の力を持った者がやるには、あまりにも器が小さく、くだらない悪ふざけ」という本質を見抜いてしまうと、これ以上お話に付き合うのが馬鹿馬鹿しくなってしまうのは当然の反応だと言えます。


